2018/09/23 18:34
今回は最近友人から聞かれた素朴な質問をきっかけに
【だるまの作り方】について順序立ててお伝えしていきたいと思います
[1.成形]
1-1.生地作り
だるまの主な原料は[紙]です
溶かした紙の繊維をだるまの型に再構築し、しっかりと乾燥させ成形します
乾燥させただるまのもと(生地)は灰色でザラザラしていて、中は空洞になっています
1-2.ヘッタつけ
だるまの生地の底の部分におもりを付けます
[ヘッタ]と呼ばれるドーナツのように穴のあいた平べったいものです
ヘッタは昔ながらの屋根瓦と同じ[土]が原料でこのおもりを付けてはじめてだるまの特徴である
倒しても自力で起き上がる機能が備わり、縁起物のだるまが出来ていくのです
[2.着色]
2-1.下塗り
[胡粉]と呼ばれる貝などを焼いた白い粉を溶かして全体に塗りしっかりと乾燥させる
2-2.上塗り
専用の赤い塗料を全体に塗りさらにしっかりと乾燥させる
この工程を経て徐々にだるまらしくなり、いよいよここからだるまの顔を描き進めます
[3.顔描き]
3-1.面胡(めんご)
顔を描く前に人でいうベースメイクのような作業を行います
太めの筆でだるまの顔全体に肌色の塗料を筆の跡があまり残らないよう丁寧に塗ります
この肌色でいよいよだるまらしくなってきました
3-2.鼻、口
だるまの個性をきめる顔は、初めに鼻と口の線を赤色で描き入れ
全体のバランスをよく見る
3-3.目
次にだるまの目の位置にあるくぼみにそってオレンジの塗料で目にぼかしを入れる
その目の中心に白い塗料で円を描き塗りつぶし
白目を作って乾燥させたら細い筆で金色の縁取りをして目の完成です
3-4.ひげ
そして墨汁で一気に鶴と亀のひげを描き入れる
ポイントになるのは左右のバランス
一体一体だるまにはゆがみや凹凸があるので個体差を考えながら描きます
呼吸が乱れると繊細な線に影響がでるので集中力がないときれいな顔が出来ない要の作業です
そして最後にお客様のご要望に合わせた金文字や、小さなだるまの場合にはたれのみを描き完成です♪

こうして改めて文字にしてみると、だるま作りは塗っては乾かし塗っては乾かしの連続
天候にも季節にも左右される ある意味生き物なんです^^;
でもだからこそ一体一体に個性が生まれ
その個性が味になるよう仕上げる職人の技にだるまの底知れぬ魅力を感じてしまうのです
生地の個性、顔描きの筆遣いで生まれる個性
そんなところにも注目してみると見慣れた赤いだるまも、まだまだ面白くみえてくるかもしれませんね♪