2023/09/07 16:25

存在感。
伝統の姿そのままの高崎だるまをつくっていると
圧倒的な存在感にくらっとくるときがある
もちろん魔除けの意味を込めているのだから
真っ赤なボディから来る
どりゃ!という圧こそが重要で
家やお店の目立つところに置いてあるからこそ
「無病息災!今年もやるぞ!」
といった気持ちにさせてくれる
これぞだるまの醍醐味
しかしながら私たち夫婦は
この「どりゃ!」にあまりむいていない
むいていないというか、どちらかというと
「奥の方からちょいと応援してるんで、はい」
「無理のないようどうぞご安全に」
といった具合のほうがなんだか心地が良い
そんなふうなことを思うときがたまにあり
この存在感をできる限り削ぎ取って
私たちの欲しいだるまをつくってみよう
そんな想いで5年前
2、3個試作品を完成させていた
その後塗料の組合せによるあれこれや
その他諸々で時間がかかり
ようやく2023年秋、販売がスタート
この[馴染む]シリーズは
二人の心地の良いと感じる色を追求して
各パーツの配色に力を入れ
圧のある鼻や口をあえて書きこまず
場所に馴染む、とけ込む
そっとやさしく見守ってくれる
そしてゆくゆくは
山口だるま馴染みの商品になるよう制作しただるま
だるまに縁のなかった方にも
この馴染む、をきっかけに
故郷高崎のだるまを知ってもらえたらいいなぁと
似ただるまはたくさんあるけれど
小さな小屋からひとつひとつ
私たち二人にしかつくれないだるまを目指して。